最大6倍に!?空き家・特定空家等・空き地の固定資産税の違いとは。

空家対策特別措置法により、「固定資産税が6倍になる!」という情報を見かけるようになりましたが、全ての空き家の固定資産税が6倍になるわけではありません。また、実際には6倍ではなく、4.2倍となるという見解がほとんどです。

どんな空き家の固定資産税が6倍(4.2倍)になるのか。
空き地(土地)とは違うのか。
面積など他の条件もあるのか。
空き家・特定空家等・空き地の固定資産税の違いをまとめました。

そもそも固定資産税とは

固定資産税はその年の1月1日時点で土地・家屋の所有者が市区町村(東京23区だと東京都)に支払う税金です。

固定資産税は 課税標準額 × 税率 – 軽減額 = 固定資産税 で計算されます。

課税標準額 ・・・ 土地・建物の固定資産税評価額
税率 ・・・ 固定資産税の税率(1.4% 自治体によっても変動)
軽減額 ・・・ 住宅等が減額対象になる

固定資産税・都市計画税の軽減制度
区分固定資産税都市計画税
小規模住宅用地住宅用地で1戸につき200平米(m2)までの部分価格 × 1/6価格 × 1/3
一般住宅用地小規模住宅用地以外の住宅用地価格 × 1/3価格 × 2/3

※今回は固定資産税のみについて解説します。

空き地(土地のみ)の固定資産税

空き地(土地のみで更地、建物もない状態)の場合は、
課税標準額 × 0.7 × 1.4%
と、単純に土地の固定資産税評価額 × 1.4%が固定資産税となります。

※ただし、更地の税金は評価額の70%が上限となるため、評価額の70%を課税標準額と考えます。

空き家の固定資産税

空き家の固定資産税 = 通常住宅の固定資産税と計算方法は変わりません。

1戸につき200㎡以下の住居用地部分(小規模住宅用地)
課税標準額 × 1/6 × 1.4%

1戸につき200㎡以上の住居用地部分(一般住宅用地)
課税標準額 × 1/3 × 1.4%

面積にもよりますが、1/6 1/3といった軽減措置が適用されていました。

300平米の土地・建物 場合

200平米分の課税標準額 × 1/6 × 1.4%
  +
100平米分の課税標準額 × 1/3 × 1.4%
  +
建物の分の課税標準額 × 1.4%
の合計が固定資産税となります。

そのため、
「誰も住まないけど取り壊すと税金が高くなるから空き家にしておく」
「解体費用や、解体後の税金など、出費が多くなってしまうので何もできない」

という方も多かったことでしょう。

”特定空家等”の固定資産税

”特定空き家”として指定されてしまうと、1/6 1/3 といった軽減措置が適用になりません。

空き地(更地)と同じ、課税標準額 × 1.4% となります。

200平米までの住居用地部分の固定資産税が6倍になってしまうということですね。

※ただし、土地の部分で解説したように更地の税金は評価額の70%が上限となるため、実際には”6倍”ではなく6*0.7で”4.2倍”となります。
面積によっても大きく条件が変わってくるため、解体してもそこまで負担が大きくならないケースもあり、ご自身の状況と合わせて査定・調査を行って見るのが良いでしょう。

特定空家等に対する措置(第14条関係)

具体的にどのタイミングで固定資産税の軽減措置が無くなってしまうのか。「特定空家等に対する措置」に関するガイドラインをご紹介します。

「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)の中に『ハ 固定資産税等の住宅用地特例に関する措置』という項目があります。

「特定空家等」に該当する家屋に係る敷地が、固定資産税等のいわゆる住宅用地特例の対象であって、法第 14 条第2項に基づき、市町村長が当該「特定空家等」の所有者等に対して除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合は、地方税法(昭和 25 年法律第 226 号)第 349 条の3の2第1項等の規定に基づき、当該「特定空家等」に係る敷地について、固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外される。
http://www.mlit.go.jp/common/001090531.pdf

法第 14 条(1項) では、『助言・指導』が行われます。これに応じない場合、法第 14 条第2項において、『必要な措置を取ることを勧告』されます。

この段階で固定資産税の軽減措置が当てはまらなくなると解釈してよいでしょう。

更に、14条3項になると『勧告に係る措置をとることを命ずることができる』と、『命令』という表現になってきます。

この命令にも応じない場合、行政代執行(又は略式代執行)が行われ、行政による執行によって解体等の作業が行われます。
行政代執行について
行政代執行 略式代執行とは

さらに、50万円以下の罰金が科せられるのです。通知が行われた段階で速やかに対処することが望ましいと言えるでしょう。

第十六条 第十四条第三項の規定による市町村長の命令に違反した者は、五十万円以下の過料に処する。
引用:空家等対策の推進に関する特別措置法(平成二十六年法律第百二十七号)
http://www.mlit.go.jp/common/001080536.pdf

空き家 空き地の固定資産税 まとめ

  • 居住用の住宅がある場合は用地に軽減措置(1/6 1/3)があった
  • 特定空家等になってしまうと、軽減措置を受けられない
  • その場合、土地のみの固定資産税(最大6倍 = 1/6でなくなる)

ご両親の家が”空き家”になってしまっても、様々な理由からなかなか処分や活用を進められない・・・という方も多いことでしょう。

しかし、空き家の状態で放置することは、結果的に周辺環境に悪影響を及ぼしたり、いざ手放す際にマイナスとなるケースが多いです。

  • 老朽化が進み、リフォームしなければ賃貸にできない / 住む事ができない
  • 勧告・助言に応じないと罰金が科せられる可能性もあり
  • 行政代執行により、望まぬタイミングで解体等の料金を請求される

こういった状況に陥らないためにも、空き家の維持管理や、空き家・空き地の有効活用を考えることが大切と言えるでしょう。

参考:東京都主税局 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/kotei_tosi.html

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